ボイストレーニングの方法や、滑舌・話し方に関するお役立ち情報をお届けします

呼吸に関するお話の第４弾です。
前回までは主に声帯や息をメインテーマとして扱っていましたが
今回は筋肉、腹筋について解説していきたいと思います。


声はお腹から出して！
お腹に力を入れて！


と教えられた経験がある方は多いのではないでしょうか。

「歌の為に毎日腹筋やってます！」
体験レッスンなどで、このように言ってくれる方もわりと多いのですが
果たしていわゆる腹筋運動は本当に歌に役に立つのか？


実は皆さんがイメージするシックスパックと言われている体の表面の腹筋はほとんど使いません。
腹筋を鍛えるといえば膝をくの字にしての上体起こしが代表的で思い浮かべやすいと思いますが
この筋トレで主に鍛えられる腹筋は息を送り出すときはあまり使いません。

むしろ息を吐く時にこの腹筋に力を入れすぎると身体が(特に上半身)ガチッとロックされてしまいスムーズな発声が出来ず硬い声になってしまいます。


じゃあ腹筋を鍛えたほうがいいというのは嘘だったんだ。
と、思われるかもしれませんがそれも違います。


腹筋というのはお腹周りの色々な筋肉の総称です。
腹斜筋(ふくしゃきん)という脇腹部分の腹筋もあれば、先ほど紹介したいわゆる６パックと呼ばれている腹直筋(腹直筋)という身体の正面についている腹筋もあります。お腹周りにはたくさんの筋肉がついているので腹筋とひとまとめにしてしまうのは少し乱暴だったんですね。


そして、ここでご紹介したいのが腹横筋(ふくおうきん)という腹筋です。
腹横筋は腹筋群のなかで一番体の内側にある筋肉です。腹筋群のインナーマッスルのひとつです。


そしてこの腹横筋が息を吐く時に働く筋肉なんです。

ほかにも、内臓や腰の安定性を高めたり、排便や分娩時の腹圧を高めたりといった効果があります。


体感して頂きたいのですが、お腹を触りながら息を少し強めに
『ふっふっふっ』と吐いてみてください。


びくっびくっと動くところがあると思うのですが
表面の筋肉が硬くなるというより内側の腹筋に力が入るような気がしませんか？


そこが腹横筋です。
もし腹筋を鍛えるならばこの腹横筋を鍛えることが大事だったのです。

今まで腹筋＝表面のシックスパック(腹直筋)に力を入れていた人は内側の腹横筋を意識してみてください。
慣れてくると何も考えなくてもそこを上手に使えるようになるので歌と融合出来てくると思います。


歌が上手くなりたいなら腹筋を鍛えろ。
は正解でもあり、間違いでもあったんですね。




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